2016年11月17日

『 この世界の片隅に 』

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『 この世界の片隅に 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月16日(2D)



フォロワーさんに実際にクラウドファンディングに参加されてる方が何人かいたので、興味がわいて「この世界の片隅に」を見てきました。原作未読。制作は最近ユーリ!で話題のMAPPAさん。ヒロインの声は能年玲奈改めのん。戦時中、呉に嫁入りしてきた普通の女性の非日常的時代の日常を描く。

働き者だけど、人より一段とのんびりした性格で、当時の当たり前に特に疑問も感じずに生きていた彼女が、戦争の激化(というより日常に差し迫る危険)により少しずつ身も心も削られていって、二度と取り戻せない喪失を自覚するにつれ激しい面を見せてくるところが地味に苦しかったよ…。

確かに彼女が失ったものって大きかったけど、玉音放送を聞いて激怒するってリアクションは予想外でびっくりしたんだ…。そして戦争は終わったと言われても庶民の生き残りをかけた戦いは終わらないわけで。あのふわりとした絵や作風の中にこういう厳しさが潜んでいて、かつ彼らは笑ってるってのがね…。

能年玲奈改めのんのヒロインの声は良かったと思う。声優っぽくないけど下手じゃない。広島弁の素朴なヒロインのイメージに合ってた。そういやヒロイン・すずの夫になる周作役の細谷佳正さんは広島県尾道出身なんですね。「坂の上のアポロン」(あれは佐世保が舞台だけど)の時といい方言男子役いいね。

食料物資の少ない時代の庶民の知恵の描写もとても興味深かった。絵の才能のあるすずが、初めて命の危険を感じる光景を目にしたときに思わずその情景を絵にしたいと思ってしまう気持ちとか、彼女の細やかな業なんだろうなあ…とか思いつつ…。

しかしユーロスペース初めて行ったけど、住所が円山町ってんで、あ、と思ったが、マジで周りラブホだらけなんだな。上野とか下町の辺と違って渋谷なだけに若干オサレめのが多かったけど。


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2016年11月12日

『 手紙は憶えている 』

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『 手紙は憶えている 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月12日(2D字幕)

「手紙は憶えている」見てきた。ミステリー、サスペンス作としてとても面白かったが、おじいちゃんがしんどそうにしてたり、酷い目に遭ってるのを見るだけで非常にストレスがたまってきました。クリストファー・プラマー御歳86歳!トラップ大佐が!トラップ大佐が!



ブルーノ・ガンツも最初どの役か解らなかったよー。老けメイクもしてたんだろうけど、一見解らなかった。後からそういえばあの声…あの役か!と遅れて認識。

それにしてもほんとにおじいちゃんしんどくて辛い…。ヨボヨボ歩くおじいちゃんが、あの決して快適とはいえないグレイハウンドの長距離バス移動してるの見てそれだけでもハラハラしてしまった…。しかしパスポートの期限切れてても免許証があればカナダに入れるの?意外とザルなんだな…。

やや挙動不審なゼヴ(主人公のおじいちゃん)に訝しげな顔をしながらも身分証にトラブルがなければあっさり銃を売っちゃうガンストアのお兄ちゃんもな……。90歳近いおじいちゃんだよ?日本じゃ確か運転免許証は90歳で没収だったと思うけど、あんなヨボヨボしたおじいちゃんが一人でそんな危険物買いに来てサラッと売っちゃうんだ…。いや、大型スーパー行けば普通に猟銃売ってるアメリカらしいといえばそうなんだけど……。一応購入には警察でライセンス取ってくる必要なかったっけか?州によるのかな?

しかし今、トランプの大統領当選で早速アメリカでヘイトクライムが蔓延し出してるこのタイミングで、片田舎の街(アイダホだったか)で保安官という職に就いてる人物がナチス信奉者なのってすっごくヤバいだろと思うと同時に、いかにもありそうなことで、この一連のシーン辛かったッス…。

こういう極端な思考の信奉者が、仲間と見れば見ず知らずの相手でもうちに泊まってけよ!と気軽に言っちゃうフレンドリーさを見せる傍ら、自分が憎むべき対象と見るや態度が豹変して死んじまえ!ってなるの、そう、それがヘイトの為せる恐ろしさなのだよ……。

それを言うと、ユダヤ人という民族ごと抹殺しようとしたナチスのやったことは紛れもない極悪行為で、その行いに賛同・加担した人間の罪は決して消えるものではなく、法の裁き以上の何かがなくてはいけない気になるのももっともなのだが、この狩る者と狩られる者の立場が逆転した際のコントロール不能な爆発的殺意をどう対処したら良いのかというのは、未だ答えが見つかっていない問題のような気がする。

時勢柄とてもゾッとするテーマの作品でした。

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別バージョンのポスター。いきなりネタバレしている。(爆)


posted by 益子繭己 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

『 ジュリエッタ 』

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『 ジュリエッタ 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月7日(2D字幕)

「ジュリエッタ」見てきて終電ギリギリ。ペドロ・アルモドバル監督作品ということで、先週「私が、生きる肌」を見ていたせいか、今回はそれほどいつものアルモドバル鈍痛ショックはなかったかな。もっとどうしようもない母娘の確執の話なのかと思ってたけど、確執の具体的描写はむしろ殆どなくて。

これは失踪した娘に対し、何故、どうして、という母親側からの回顧録だからこうなのかな。娘の視点で描かれたら結構違う物語になりそう。

しかし私もかつて結構仲良かった友人から突然国際電話で変な電話もらって以来付き合いがとぎれてしまったとか、メールで一方的にお前のような恥ずかしい人間とは関わり合いたくない、二度と連絡すんなとか言われて付き合い絶った人いるんで、突然連絡してきて友人解消するとかいう人怖いなって印象。

ちなみに後者の二度と連絡してくるなさんには数年後偶然知人のお葬式で会ったら「なんで連絡してこないんだよ!」って言われたんだけど、僕、よくわかんないや。

私も非常に身に覚えがあるのであれなんだけど、鬱病とか精神疾患を患った家族と友好な関係を築くのは非常に難しく、場合によっては重度の介護レベルに近い負担を家族にかけることになるのはよくわかる。また子供からすれば、父母の馴れ初めとか夫婦間の不倫問題というのは年齢や慣れでもう他でやってくれと吹っ切れるまでは話題にもしたくない醜悪な問題でもある。ただ夫婦で片方が病で動けず日に日にかつての魅力を失っていくのに、心身ともに拠り所がないつがいの片方が別の魅力的な異性に興味が行ってしまうというのも本当によくある話だ。

ジュリエッタと娘・アンティアの関係の中ではこう言った親世代の負の体験が知らず知らずのうちに娘を傷つけ(直接知らせていなかったけど、実際は知っていた)、残されたたった一人の家族ということで母が娘に依存して多大な負担をかけていた……ということがこの母子間の亀裂だったようだけど、本当はもっともっとアンティアが追いつめられる、母を見捨てる気になった要素って細々とあったんじゃないかなあと思う。父と息子はプライドにより対立が発生しやすくて難しいけど、母と娘は情という問題で難しい関係になりやすいから。


posted by 益子繭己 at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

『 宇宙戦争 』

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『 宇宙戦争 』

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] -
宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] -

鑑賞日:2016年11月3日(レンタル)

病人なので、うどん食いながらレンタルした「宇宙戦争」を見る。

これのエイリアンってどんな風に抜けてたんだっけか。

トムがダメお父さんかー。ダコタ・ファニング小さい!

「宇宙戦争」鑑賞。すっごい長期計画立ててた割には自分たちの生態研究がおざなりでかなりバカっぽいね?この宇宙人?

つーか、地球征服とか言って人間一人一人駆逐していくって効率悪すぎでしょ。

最初の電気機器を一切ダウンさせるという有効的な能力が後半あんまり意味なくなってる辺り、何故。今の人類にとって電気が使えないが一番致命傷なのに。

それにしてもトムが直接的に敵と戦わないというのはもはや珍しく感じる。



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『 エコール 』

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『 エコール 』

エコール [DVD] -
エコール [DVD] -

鑑賞日:2016年11月2日(レンタル)

2006年の公開時から気になっていて、ずっと見逃していた作品。フランスロリータ映画の金字塔だろうか。

人里離れた森の中で外部の世界との接触を一切断絶された状態で過ごす6歳から12歳までの少女たち。清楚な純白の制服に学年を表すリボンの色。大人は生物の先生とバレエの先生という教師2人(バレエの先生役がマリオン・コティヤール!)と世話係りの老婆2人のみ。縦割りに振り分けられた寄宿舎と学校、森と湖だけが少女たちの世界。一見由緒ある子女のための全寮制学校のようにも見えるが、新入生は裸で棺に入ってやってきたり、男性の存在が一切ない中で少女たちに教え込まれるのは生物とバレエのレッスンのみという奇妙さ、そして選ばれた上級生たちだけで夜な夜な演ずる謎のバレエ発表会(観客はどこからともなく現れ、その中には成人男性が含まれる描写がある)と、少女たちの日常は非常に非現実的だ。

活き活きと遊び暮らしているようでも少女たちは自分たちが小さな世界に監禁されていることを自覚しており、ここを「卒業」して外に出たり、あるいはバレエの才能を見出されて一足先に学園を出ることを切望している。物語の中ではこの学校が何なのか、そして「卒業」によって彼女らはどこに行くのか明確に語られていない。ただ少女たちの未来を案じてバレエ教師が泣き出すシーンや、恐らく元生徒と思われる女性教師が脱走の罰として脚を痛めつけられたらしいという話、「服従こそが幸せ」といった言葉が繰り返されることからも、いかがわしい想像をしてしまう……。ラスト、最上級生のビアンカが列車を乗り継いで行った場所は一見して明るく、森とは正反対の近代的イメージの建物がある学校もしくは研究所といった風情の場所で少年の姿もあった。ビアンカは生理も迎え「少女」を卒業した存在だったか、あの学校で養成された少女は一体どこに出荷されていくのか……。

…とまあ、フランス映画らしく妄想補充ばかりで断定的表現が非常に少ない作品だったんですけど、このフワフワとした微熱のような作風は題材とも相まって非常に心地よい危うさというか……うん、いいと思うよ……。最年少のイリスはアジア系っぽかったけど、最上級生の美少女・ビアンカは、まさに美少女!って感じで、白い肌におさげのツーテール、真っ赤な唇、制服のスカートから伸びる細くて長い脚、まだ少し幼児体型が残るも少しだけ胸があるレオタード姿とかやばいね、これはやばいよ!って感じだった。間の学年のバレエの才能を見出されることを夢見てたアリス(身の回りのことに関しては比較的現実的な感覚を持つ)、自分より下に妹分ができてしまったことに嫉妬心を滾らせる……なんだっけあの黄色いリボンの子(ちなみにアリスは青リボン)とか、まあ園ですよ、園。

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ビアンカやばい。

近く公開する同ルシール・アザリロヴィック監督の「エヴォリューション」(今度は少年たちの園っぽい)を見る前に見とこうと思って見ました。次はどうかな。


posted by 益子繭己 at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする