2016年11月30日

『 五日物語−3つの王国と3人の女− 』

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『 五日物語−3つの王国と3人の女− 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月30日(2D字幕)

そして「五日物語」も見て来ました。スペインの話なのかと誤解していたけど、イタリアが舞台なのね。グロテスクな御伽噺といった作風で、女王や王女の絢爛なドレスや装飾品と対象的な暗くゴツゴツした石造りの城、絵画からそのまま立体化したような不思議生物とか中世ヨーロッパの陰鬱さ満載でイイ。

イタリア半島内の小国各地で起きた三つの物語を同時進行させる構成。それぞれ野望を抱え数奇な経験をすることになる女性と、彼女らに影響を及ぼす魔法的存在が登場。子供を熱望する女王の前に黒衣の男、王に見初められたい老婆の前に魔女、幸せな結婚を夢見る王女の父の前にノミ(笑)。

魔法でチートした代償を払うことになるというのも御伽噺の王道だよね。サルマ・ハエック久し振りに見たけど美しかったです。もはや気持ち悪いレベルの口説き文句を流れるように話すヴァンサン・カッセルはいかにも過ぎてニヤニヤしちゃったけど。ジョン・C・ライリーはまたも気の毒な役だった…。

ちょっとグロテスクでおどろおどろしく、かつ絵画のように美しい映像美。三つの物語は同時進行してるけど複雑な絡みはなく割とシステマティックに進むので解り易いし、秀逸な出来だと思います。ノミ、結構可愛いよ。

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ポスターデザインはどれも美しいですね。

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こういう中世の書物やタペストリーとかに描かれていそうな生き物がサラっと出てくる。

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でも何故か王様が着る潜水服はだいぶ19世紀的。

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本当に双子な王子とその親友役の二人。眉毛や睫毛まで真っ白でアルビノの役者さんなのかな?

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こういう活きた森の緑に贅沢な絹の鮮やかな赤が映え、さらに豊かな赤毛と真っ白な肌の美女というファンタジーですよ。


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『 エヴォリューション 』

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『 エヴォリューション 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月30日(2D字幕)

そうそう先日「エヴォリューション」を見てきました。自然音と暗闇だけのシーンも多くて寝不足だったのもあり意識が飛びそうになる瞬間もありましたが、海のシーンの映像等とても美しく、少年とルネサンス絵画のような顔立ちの女性しか出てこない作品で美しさと不気味さの交錯が凄い作品でした。

「エコール」が森に隔離された少女たちならば、「エヴォリューション」は孤島に隔離された少年たちを描いており、見事な対象なんだけど、「エコール」の方が微熱の中で見る白昼夢のような感じなら、今回はもっと具体的に悪夢な感じに描かれてたと思う。ファンタジー度も上がっていた。

あと春画じゃないけど、やはり海水に濡れる女性と吸盤という組み合わせのエロスはやばいですね。

「エコール」は徹底的に異性の存在がなく少女と大人の女性は存在したけど、そのエロスは少女たち同士の戯れにあったわけなんだけど、今回は同世代の異性の不存在に加え、大人の同性(少年の成長した姿)も存在せず、少年と大人の女性のみに関係性が絞られていて、所謂おねショタってやつなのかな。

「エコール」なら学校、「エヴォリューション」では病院が結局何のための施設なんだか解らないのは同じなんだけど、今回はさらに少年たちを支配する大人の女性たちの生物学的正体も謎なんで、本当にファンタジーです。(女優さんの眉毛薄くてやたら黒目の大きな目がまた不気味なんだ…)

そんなわけで今回初めて渋谷UPLINKに行ってみたのですが、これは単館感溢れる映画館だったなー。パンフもUPLINKさんが制作しているようで、布張りのハードカバーです。素敵。



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陸上から見る海はいつも荒れていて低い轟音と水飛沫を上げているんだけど、海中は静かで美しいというこの対象。母なる海からの進化というのも暗示している描写なのだろうなあ…。

ただこの映画、本来出産し増やすという生物学的に産む性である女性が、どうも生産する側ではないかもしれないというような描写があり、彼女らが望む「繁殖」を当人らではないく少年にさせる実験をしているようなのである。(やたら帝王切開の研究はしている)女性たち自身そもそも人間の女性ではないかもしれないという描写すらあり、彼女らが繁殖できないのはこの島に成人男性がいないという物理的問題なのかもしれないし、彼女ら自身で成人男性を必要としない繁殖を望んでいるのかもしれない。しかし何故それに成長しきらない少年である必要があるのか、そもそも少年に出産代行させようとしたところで、増えない状態で少年たちはどこから調達してきたのか(実験で死亡することもしばしばなのに)という疑問が残るんだけど、その辺の解明はファンタジーなので特に必要ではないのだろう。

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文字通り海水浴をする少年たちとその「母親」。うすうすどの子も自分の身の回りの世話をして病院に入院させるこの女性たちが本当の母親ではないことに気づいている。

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青または灰色の海や外の世界(ちなみに少年たちの病室は緑の壁で雨漏りがして水が滴っている)という中、光る主人公の少年の海パンとヒトデの赤。生命の象徴、らしい。


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2016年11月26日

『 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 』

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『 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月23日(2D字幕)

「ファンタスティック・ビースト」見てきたぞー!エディくん演ずるスキャマンダー先生の若干コミュ障でも動物たちの前ではやたら大胆なキャラにやられつつ、登場人物が皆魅力的で子供に頼らない大人なテイストを漂わせながらもとてもキュートな作風が、ハリポタも親世代が好きな自分にはハマりました。

魔法使いの世界にもアメリカンとブリティッシュの壁はあることがなんとなく解るやりとりや、1920年代のニューヨークというたまらない時代設定がいいんだよー。コリン・ファレルも最後に見たの「ロブスター」で酷い有様だったけど、今回はシュッとした体型に戻っててカッコ良かったよ!

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シュッとしてて切れ味鋭くて真っ黒なコリンだよ!かっこいい!コリンも歳取って若造の頃の無駄な色気が削げ落ちて、洗練された感じになってきたなー。

あと、ロン・パールマン!ロン・パールマンいるよ!いかにもな役で!

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やっぱり葉巻が似合いそうな役。でも身長140cmぐらい。

スキャマンダー先生が連れてる魔法動物の中では守銭奴(というか光り物が好き)だけどニフラーが好き。あいつ、モグラっぽいのかなと思ってたら、顔はカモノハシっぽい!

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ニフラーかわいいよ。お腹の四次元ポッケもかわいよー。

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置き物のフリして隠れてるんだけどバレちゃうとこ最高に可愛かった!!

今日見た「ファンタスティック・ビースト」も魔法使いとそれを排斥しようとする人間のヘイト問題扱ってたりして時事問題的なものを感じたし、1920年代なのにニューヨークの姿を見ただけで私の胸にも去来するものがあったりするのです…。あの街はいつだってアメリカの価値観の最先端でいてほしい。



そう、孫がルーナの旦那さんと聞いて俄然スキャマンダー先生には好感度が上がったよね。 > RT

魔法の世界の映像化は大好きなジャンルなんだけど、ハリー・ポッターシリーズはどうも主人公たちの思春期特有のあやふやさがハマリキれない要素の一つだったんだけど、今回は同じ世界観を持ちながらも主人公を始め登場人物が皆大人で、それぞれ立場や信念がはっきりしており、私にはこっちの方がすんなりと馴染めました。三部作になるそうで続編も楽しみです!


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2016年11月17日

『 この世界の片隅に 』

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『 この世界の片隅に 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月16日(2D)



フォロワーさんに実際にクラウドファンディングに参加されてる方が何人かいたので、興味がわいて「この世界の片隅に」を見てきました。原作未読。制作は最近ユーリ!で話題のMAPPAさん。ヒロインの声は能年玲奈改めのん。戦時中、呉に嫁入りしてきた普通の女性の非日常的時代の日常を描く。

働き者だけど、人より一段とのんびりした性格で、当時の当たり前に特に疑問も感じずに生きていた彼女が、戦争の激化(というより日常に差し迫る危険)により少しずつ身も心も削られていって、二度と取り戻せない喪失を自覚するにつれ激しい面を見せてくるところが地味に苦しかったよ…。

確かに彼女が失ったものって大きかったけど、玉音放送を聞いて激怒するってリアクションは予想外でびっくりしたんだ…。そして戦争は終わったと言われても庶民の生き残りをかけた戦いは終わらないわけで。あのふわりとした絵や作風の中にこういう厳しさが潜んでいて、かつ彼らは笑ってるってのがね…。

能年玲奈改めのんのヒロインの声は良かったと思う。声優っぽくないけど下手じゃない。広島弁の素朴なヒロインのイメージに合ってた。そういやヒロイン・すずの夫になる周作役の細谷佳正さんは広島県尾道出身なんですね。「坂の上のアポロン」(あれは佐世保が舞台だけど)の時といい方言男子役いいね。

食料物資の少ない時代の庶民の知恵の描写もとても興味深かった。絵の才能のあるすずが、初めて命の危険を感じる光景を目にしたときに思わずその情景を絵にしたいと思ってしまう気持ちとか、彼女の細やかな業なんだろうなあ…とか思いつつ…。

しかしユーロスペース初めて行ったけど、住所が円山町ってんで、あ、と思ったが、マジで周りラブホだらけなんだな。上野とか下町の辺と違って渋谷なだけに若干オサレめのが多かったけど。


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2016年11月12日

『 手紙は憶えている 』

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『 手紙は憶えている 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月12日(2D字幕)

「手紙は憶えている」見てきた。ミステリー、サスペンス作としてとても面白かったが、おじいちゃんがしんどそうにしてたり、酷い目に遭ってるのを見るだけで非常にストレスがたまってきました。クリストファー・プラマー御歳86歳!トラップ大佐が!トラップ大佐が!



ブルーノ・ガンツも最初どの役か解らなかったよー。老けメイクもしてたんだろうけど、一見解らなかった。後からそういえばあの声…あの役か!と遅れて認識。

それにしてもほんとにおじいちゃんしんどくて辛い…。ヨボヨボ歩くおじいちゃんが、あの決して快適とはいえないグレイハウンドの長距離バス移動してるの見てそれだけでもハラハラしてしまった…。しかしパスポートの期限切れてても免許証があればカナダに入れるの?意外とザルなんだな…。

やや挙動不審なゼヴ(主人公のおじいちゃん)に訝しげな顔をしながらも身分証にトラブルがなければあっさり銃を売っちゃうガンストアのお兄ちゃんもな……。90歳近いおじいちゃんだよ?日本じゃ確か運転免許証は90歳で没収だったと思うけど、あんなヨボヨボしたおじいちゃんが一人でそんな危険物買いに来てサラッと売っちゃうんだ…。いや、大型スーパー行けば普通に猟銃売ってるアメリカらしいといえばそうなんだけど……。一応購入には警察でライセンス取ってくる必要なかったっけか?州によるのかな?

しかし今、トランプの大統領当選で早速アメリカでヘイトクライムが蔓延し出してるこのタイミングで、片田舎の街(アイダホだったか)で保安官という職に就いてる人物がナチス信奉者なのってすっごくヤバいだろと思うと同時に、いかにもありそうなことで、この一連のシーン辛かったッス…。

こういう極端な思考の信奉者が、仲間と見れば見ず知らずの相手でもうちに泊まってけよ!と気軽に言っちゃうフレンドリーさを見せる傍ら、自分が憎むべき対象と見るや態度が豹変して死んじまえ!ってなるの、そう、それがヘイトの為せる恐ろしさなのだよ……。

それを言うと、ユダヤ人という民族ごと抹殺しようとしたナチスのやったことは紛れもない極悪行為で、その行いに賛同・加担した人間の罪は決して消えるものではなく、法の裁き以上の何かがなくてはいけない気になるのももっともなのだが、この狩る者と狩られる者の立場が逆転した際のコントロール不能な爆発的殺意をどう対処したら良いのかというのは、未だ答えが見つかっていない問題のような気がする。

時勢柄とてもゾッとするテーマの作品でした。

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別バージョンのポスター。いきなりネタバレしている。(爆)


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2016年11月08日

『 ジュリエッタ 』

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『 ジュリエッタ 』公式サイト

鑑賞日:2016年11月7日(2D字幕)

「ジュリエッタ」見てきて終電ギリギリ。ペドロ・アルモドバル監督作品ということで、先週「私が、生きる肌」を見ていたせいか、今回はそれほどいつものアルモドバル鈍痛ショックはなかったかな。もっとどうしようもない母娘の確執の話なのかと思ってたけど、確執の具体的描写はむしろ殆どなくて。

これは失踪した娘に対し、何故、どうして、という母親側からの回顧録だからこうなのかな。娘の視点で描かれたら結構違う物語になりそう。

しかし私もかつて結構仲良かった友人から突然国際電話で変な電話もらって以来付き合いがとぎれてしまったとか、メールで一方的にお前のような恥ずかしい人間とは関わり合いたくない、二度と連絡すんなとか言われて付き合い絶った人いるんで、突然連絡してきて友人解消するとかいう人怖いなって印象。

ちなみに後者の二度と連絡してくるなさんには数年後偶然知人のお葬式で会ったら「なんで連絡してこないんだよ!」って言われたんだけど、僕、よくわかんないや。

私も非常に身に覚えがあるのであれなんだけど、鬱病とか精神疾患を患った家族と友好な関係を築くのは非常に難しく、場合によっては重度の介護レベルに近い負担を家族にかけることになるのはよくわかる。また子供からすれば、父母の馴れ初めとか夫婦間の不倫問題というのは年齢や慣れでもう他でやってくれと吹っ切れるまでは話題にもしたくない醜悪な問題でもある。ただ夫婦で片方が病で動けず日に日にかつての魅力を失っていくのに、心身ともに拠り所がないつがいの片方が別の魅力的な異性に興味が行ってしまうというのも本当によくある話だ。

ジュリエッタと娘・アンティアの関係の中ではこう言った親世代の負の体験が知らず知らずのうちに娘を傷つけ(直接知らせていなかったけど、実際は知っていた)、残されたたった一人の家族ということで母が娘に依存して多大な負担をかけていた……ということがこの母子間の亀裂だったようだけど、本当はもっともっとアンティアが追いつめられる、母を見捨てる気になった要素って細々とあったんじゃないかなあと思う。父と息子はプライドにより対立が発生しやすくて難しいけど、母と娘は情という問題で難しい関係になりやすいから。


posted by 益子繭己 at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

『 宇宙戦争 』

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『 宇宙戦争 』

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] -
宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] -

鑑賞日:2016年11月3日(レンタル)

病人なので、うどん食いながらレンタルした「宇宙戦争」を見る。

これのエイリアンってどんな風に抜けてたんだっけか。

トムがダメお父さんかー。ダコタ・ファニング小さい!

「宇宙戦争」鑑賞。すっごい長期計画立ててた割には自分たちの生態研究がおざなりでかなりバカっぽいね?この宇宙人?

つーか、地球征服とか言って人間一人一人駆逐していくって効率悪すぎでしょ。

最初の電気機器を一切ダウンさせるという有効的な能力が後半あんまり意味なくなってる辺り、何故。今の人類にとって電気が使えないが一番致命傷なのに。

それにしてもトムが直接的に敵と戦わないというのはもはや珍しく感じる。



posted by 益子繭己 at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『 エコール 』

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『 エコール 』

エコール [DVD] -
エコール [DVD] -

鑑賞日:2016年11月2日(レンタル)

2006年の公開時から気になっていて、ずっと見逃していた作品。フランスロリータ映画の金字塔だろうか。

人里離れた森の中で外部の世界との接触を一切断絶された状態で過ごす6歳から12歳までの少女たち。清楚な純白の制服に学年を表すリボンの色。大人は生物の先生とバレエの先生という教師2人(バレエの先生役がマリオン・コティヤール!)と世話係りの老婆2人のみ。縦割りに振り分けられた寄宿舎と学校、森と湖だけが少女たちの世界。一見由緒ある子女のための全寮制学校のようにも見えるが、新入生は裸で棺に入ってやってきたり、男性の存在が一切ない中で少女たちに教え込まれるのは生物とバレエのレッスンのみという奇妙さ、そして選ばれた上級生たちだけで夜な夜な演ずる謎のバレエ発表会(観客はどこからともなく現れ、その中には成人男性が含まれる描写がある)と、少女たちの日常は非常に非現実的だ。

活き活きと遊び暮らしているようでも少女たちは自分たちが小さな世界に監禁されていることを自覚しており、ここを「卒業」して外に出たり、あるいはバレエの才能を見出されて一足先に学園を出ることを切望している。物語の中ではこの学校が何なのか、そして「卒業」によって彼女らはどこに行くのか明確に語られていない。ただ少女たちの未来を案じてバレエ教師が泣き出すシーンや、恐らく元生徒と思われる女性教師が脱走の罰として脚を痛めつけられたらしいという話、「服従こそが幸せ」といった言葉が繰り返されることからも、いかがわしい想像をしてしまう……。ラスト、最上級生のビアンカが列車を乗り継いで行った場所は一見して明るく、森とは正反対の近代的イメージの建物がある学校もしくは研究所といった風情の場所で少年の姿もあった。ビアンカは生理も迎え「少女」を卒業した存在だったか、あの学校で養成された少女は一体どこに出荷されていくのか……。

…とまあ、フランス映画らしく妄想補充ばかりで断定的表現が非常に少ない作品だったんですけど、このフワフワとした微熱のような作風は題材とも相まって非常に心地よい危うさというか……うん、いいと思うよ……。最年少のイリスはアジア系っぽかったけど、最上級生の美少女・ビアンカは、まさに美少女!って感じで、白い肌におさげのツーテール、真っ赤な唇、制服のスカートから伸びる細くて長い脚、まだ少し幼児体型が残るも少しだけ胸があるレオタード姿とかやばいね、これはやばいよ!って感じだった。間の学年のバレエの才能を見出されることを夢見てたアリス(身の回りのことに関しては比較的現実的な感覚を持つ)、自分より下に妹分ができてしまったことに嫉妬心を滾らせる……なんだっけあの黄色いリボンの子(ちなみにアリスは青リボン)とか、まあ園ですよ、園。

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ビアンカやばい。

近く公開する同ルシール・アザリロヴィック監督の「エヴォリューション」(今度は少年たちの園っぽい)を見る前に見とこうと思って見ました。次はどうかな。


posted by 益子繭己 at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『 シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 』

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『 シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 』

『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』 [Blu-ray] -
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』 [Blu-ray] -

鑑賞日:2016年11月3日(レンタル)

頭痛いけど寝てるのにも飽きたので途中まで見てた「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」をようやく鑑賞。ニセドキュメンタリー調の構成でニュージーランドはウェリントンに暮らす吸血野郎4人組のシェアハウスの生活に密着。全てが狙いすました吸血鬼ネタ満載のバカで最高。

アホ大学生なんか仲間にしちゃったから順調だったフラットメイトとの暮らしに大波紋が!皆大好きIT系童貞・スチュー!童貞だからむっちゃ美味しそうだけど、いい奴だから食べないよ!

ディアゴのハッピーエンドっぷりにはちょっと泣いた。年の差なんて関係ないから!彼女が96歳だなんてロリコンとか思われるかもしれないけど、そんなの気にしないから!

ヴァンパイアはセクシーが持論のディーコンのこだわりはやはりあのレザーパンツなのかな。

確か昔「フレンズ」で格好つけてピタピタのレザーパンツはいたらクッソ暑くて、一回トイレで半脱ぎしたら今度は肌にくっついて上げられなくなり、ベビーパウダーはたきまくってようやく元に戻す、みたいな描写があったけど、レザーパンツってそんなに大変なのか。

私も持ってるけどあんまりピッタリしたタイプでないのでその苦労がよく解らんのです。ラテックス(ラバー)の衣装とかもっと大変みたいだけど。あとレザーはくときって滑りよくするために普通ストッキングかタイツはくよね?あ、でも男の人だとどうなんだろ。素肌にレザーとか漫画みたいな奴いるの?


posted by 益子繭己 at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『 私が、生きる肌 』

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『 私が、生きる肌 』

私が、生きる肌 Blu-ray -
私が、生きる肌 Blu-ray -

鑑賞日:2016年11月1日(レンタル)

「私が、生きる肌」をレンタルにて鑑賞。最初から嫌な予感しかしない作品だったが、やっぱりだー。「トーク・トゥ・ハー」のときと同じ後味。やはりペドロ・アルモドバル。最近チャーミングな役が多かったバンデラスが全然笑わないマッド医者役を本拠スペインで。

あ、でも「オートマタ」もチャーミングさを封印したスペイン映画のバンデラスだったな。

「マジカル・ガール」を最初ペドロ・アルモドバル監督作だと勘違いしてたんだけど、それにしても自分の知る限りのスペイン映画って、ホント、見ていて辛い作品が多い。でも「ジュリエッタ」見に行きたい。そのために「私が、生きる肌」見ようと思ったのよね。

愛故に歪んだ情念の末路、すっかり変形した中年男の中にある一抹の純愛が裏切られる描写という点で「マジカル・ガール」や「鑑定士と顔のない依頼人」に近いものを感じる。どの作品も後味ズドーーーン(凹)である。



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