2016年04月28日

『 ズートピア 』

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『 ズートピア 』公式サイト

鑑賞日:1回目:2016年4月24日(2D字幕) 2回目:2016年5月7日(2D字幕)

二週間休みがないのが腹立たしいので、激務週間だけど早上がりして「ズートピア」見てきちゃった。なにこれ、最高なんだけど…!

最近ピクサーとディズニー・アニメーション・スタジオの違いが解らなくなってたんだけど、短編上映がある・なしの違いではないようだね。今回短編なしでいきなり本編だったのでちょっとびっくりした。

今や皆ディズニー配給だからごっちゃになってたんだけど、Wikiで近年のピクサー作品とディズニー作品のリストアップ比べてみた。ピクサー作だと思ってたディズニー作多し。「シュガーラッシュ」、ピクサーだと思ってた。

「メリダとおそろしの森」と「インサイド・ヘッド」がちょっと自分的には受け入れ難いところがあって、「モンスターズ・ユニバーシティ」は見逃してしまい、「アーロと少年」には全く食指が動かなかった自分としては、近年はかなりディズニーに軍配が上がっている気がする…。

水牛のボゴ署長の声がイドリス・エルバだって、最後のクレジットで知ったよ!!なんだよ!教えてくれよ!!!(益子サン、スコシオサエテ)

もうこれだけで字幕版乙。こだわって良かった…。



そう!これ!!人は悪気なく差別をし、偏見を持つ。ジュディの両親の姿に物凄い既視感を感じました…。善人の、ごく普通の常識から生まれる偏見。私も何度それに憤りを覚え、ぶつかってきただろうか…。だが私もジュディがしてしまったような失敗をしてきてるかもしれないんだよね…。

ジュディは洋画アニメにありがちな承認欲求が強くてせっかちな先走りヒロインなんだけど、非常に利発で無理なく弁が立ち、メスゴリラ的腕力の強いヒロインではなく自分のひ弱さを解った上で無茶をする子なので凄く好きなタイプです。盲目的に明るく前向きなタイプが苦手な私には響くヒロインでした。

そしてニック…。やばい、凄く好きなタイプだ…。トラウマ的過去を持ち擦り切れて飄々と小悪党でいることに慣れちゃってるけど根は凄く繊細でホットな奴…。もうジュディとのバディ感、たまんねっす。何か32歳設定らしいから、警察学校卒業後したてのジュディと余裕で10歳差ぐらい?萌える…。

キャラ的にはトガリネズミのMr.ビッグが最高でないかい。声が一段と高いところとかも。
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ガゼル。実際にジゼルとかアデルとかいるだけに笑えるんだけど、声も歌もシャキーラでしたか。主題歌、いい歌だね。
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あとクライマックスの博物館のシーンで、恐らくあの世界の原始時代の再現と思われるジオラマが、何気に凄い世界観を物語っていると思った。サーベルタイガーに槍持って立ち向かう羊…。

「ズートピア」の劇中でも言っていたし、現実世界でもそうみたいだけど自然界は10%の捕食者(肉食動物)と90%の被捕食者(草食動物)でできているらしい。このケースは1:9だけど、人間世界は今現在世界人口の1%の富裕層が世界の富の半分を所有してるってやつと何となく重なるよねえ…。

可愛い動物キャラで、精巧に構築されたファンタジーな世界観を利用しつつ、我々の世界に蔓延する偏見や差別、格差といったものに真っ向から問題提起して挑んでいる、実に社会派な作品でありました。でもしっかりエンターテイメント。小さな子供に楽しんでもらいながら、こんな偉大なメッセージを吹き込んでくるディズニー…。やはり腐っても鯛というか、いや今またディズニーは何度目か知らんけど再び黄金期に入ってきましたな…。歴史ある、全年齢対象一流ストーリーテラー集団の実力は凄い。

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あああ、可愛い……。こういう喧嘩ップル好き……。


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『 スポットライト 世紀のスクープ 』

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『 スポットライト 世紀のスクープ 』公式サイト

鑑賞日:2016年4月22日(2D字幕)

すごく疲れてた時に見たので数分寝オチしてしまった……。(汗)

このアメリカのキャソリック教会で多くの神父が信者の少年少女を性的虐待をしていたというスクープは、私がアメリカに在住していた時期に丁度発覚して大問題になっていた事件なので当時のことをいろいろ思い出しました。でもスッパ抜いたのがBoston Globe社だったなんて知らなかった…。当時もうボストンからニューヨークに移っちゃってたからな…。

アメリカは一般的に日本人が想像するよりずっと保守的な国なので、宗教団体というタブー中のタブーからこんな事実を暴くのはどれだけ大変なことだったかと思いますよ。1回表沙汰になったら次から次へと芋づる式に発覚して酷いもんだったんですよね…。


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2016年04月24日

『 レヴェナント 』

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『 レヴェナント 』公式サイト

鑑賞日:2016年4月23日(2D字幕)

「レヴェナント」見ました。熊怖い。本当怖い。本当に、熊、怖い。

最近「ゴールデンカムイ」で熊の怖さを思い知っているだけに、あれだけリアルに熊の襲撃を描かれたら、怖い、怖い。(震え)

「レヴェナント」は作中の8割ディカプリオが満身創痍で、これでもか、これでもかと自然の脅威と人災に見舞われますが、不死身の杉元ならぬ、不死身のグラスです。

イニャリトウ監督なだけあってカメラワークやディレクター・オブ・フォトグラフィーは素晴らしく、恐怖を煽る視点が上手い。恐ろしくも厳しいアメリカ大陸の大自然も美しい。

ところどころ「ああ〜〜!」ってなるサントラは坂本龍一が担当。でもBGMではなく自然の音を活かすシーンも多く感じました。

しかしさ、進撃の巨人やジョーズとかゾンビものとかでもそうなんだけど、相手を殺すことが目的ではなく、喰うことが目的の殺意ってなんて恐ろしいんだろう。捕食される恐怖というのは自然界の生き物なら全てが抱えているものだと思うけど、人間は普段それを忘れてるからホントその恐怖、段違い。

途中で何の得もないのに瀕死の主人公を助け、食料(生肉)を分け、吹雪の中懸命にシェルターを作り、傷の手当をしてくれたポーニー族の生き残りの彼は、名前すら出てこなかったけど良いキャラでした。悲しい末路が待っていたけれど…。

レヴェナントって「亡霊」って意味だったんですね。愛する妻と、息子の亡霊に突き動かされる既に死んだ男。彼自身が復讐以外に空っぽな亡霊……といったところなんだろうけど、復讐以前に生きることに精一杯な状況が長々と続くので印象的には大自然に瀕死で丸腰で独りぼっち、ついでに追っ手がやってきます、というサバイバル作品。

あー!あの神経質そうで人としての良心にグラグラしてる狩猟隊の青っちろい隊長さんは、「フォースの覚醒」のハックス将軍役だったドーナル・グリーソンか!この人ハリポタでビル・ウィーズリーだったんか。(今さら)

しかも「フランク」で主人公だった彼や!(超今さら)

あと同じく狩猟隊の良識派の少年・ブリジャーは「メイズランナー」のウィル・ポールターくんでした。相変わらず体格はでかいのに乙女な顔と声だったな〜。

グラス役のデカプリオを見てて、この人破傷風とか感染症にならんのだろうかと思っていたが、まさか本当に馬の腹の中に入らされて、生肉食わされていたなんて…。イニャリトゥ監督、鬼や。


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2016年04月17日

『 ルーム ROOM 』

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『 ルーム ROOM 』公式サイト

鑑賞日:2016年4月16日(2D字幕)

さて、「ルーム」鑑賞。日本でもつい最近少女の誘拐監禁事件があったところですが、17歳で誘拐され、7年間生活必需品をギュッと詰めた小さな納屋に監禁された女性と、その間に生まれた5歳の息子の、母と子が社会から断然された生活から「世界」を取り戻してゆく物語です。

誘拐監禁というのは女性の尊厳としても、人間の尊厳としても非常にショッキングな犯罪だけど、アメリカって年間80万人近くの未成年が行方不明になってるらしく、昔は牛乳パックの側面に行方不明の子供の顔写真が印刷されて売られてたぐらいで、しょっちゅう痛ましい誘拐事件を耳にしていた気がする。

17歳まで何不自由なく暮らしていて、突然誰の助けもこない狭い空間で迫害され続けた母親の7年間と、生まれたときからその納屋の中のリアルとテレビの中世界しか知らない子供の5年間、どちらも特殊な社会断絶経験をしてるんだけど、大人と比べて子供の柔軟性の強さというのは凄いものです…。

そして子供にとってはその異様な環境も、5年間大好きなお母さんと毎日24時間一緒だった幸せな、大切な時間という皮肉。母親にとって納屋での監禁生活は我が子の存在が唯一の希望で濃密な親子の絆の宝庫でもあったけど、同時に気が狂いそうな体験をした地獄のような場所でもあるわけで。

親子が救出された後の変化が非常に面白い。始め子供は何もかも初めてみる「リアル」に戸惑い、母親以外の人間全てを恐れ人見知りするけど、急速に新しい環境に適応性を見せてくる。逆に母親は救出されたことに歓喜するが、徐々に被害者である自分と他の人間(家族でさえ)に隔たりを感じてゆく…。

トドメには世間の好奇の目というマスコミに負けかける母親。あの大変不躾な質問をする女性インタビュアー、なんかアメリカのテレビに実在してた気がする。もしくはその人をモデルにした架空のキャラだと思うが、彼女のように眉を下げ同情したり顔でグサグサとインタビューする番組、実際にあるんだよ。

劇中あるタイミングで母親と子供の社会性が逆転する瞬間があります。ほんと、子供ってスゲエなあと思った瞬間。でも僕が一番涙腺に来たシーンはこの子が母親のお母さんに、「おばあちゃん、大好き」って言ったシーン。おばあちゃん、泣くよ、そりゃ…。

あとね、この子供、ジャック役のジェイコブ・トレンブレイ君が神がかった可愛さです。10歳以前の、少女にも少年にも見える子供のエキセントリックさを凝縮したような姿。天使のようで、時々疲れた大人の女みたいな表情もする。こりゃすごい子役だ。

アライグマの帽子被ってるジャック、激マブですよ…。

ハローニュー「ワールド」、グッバイザ「ルーム」。小さな背中に希望を感じる良作でした。


posted by 益子繭己 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする